●天王洲銀河劇場が今回の舞台です
2008年11月に初演を行い好評を呼んだ舞台「華々しき一族」(原作・森本薫)が、きょう2010年4月7日から東京・天王洲銀河劇場で再演の幕を開けます。前回同様、若尾文子さん・西郷輝彦を主演に据え、演出家・石井ふく子さんによる現代版リニューアルステージが、再び感動を集めることになりそうです。
●故杉村春子さんの当たり舞台をリニューアル
故杉村春子さんの当たり役ともいわれたこの物語は、太平洋戦争前、昭和初期における裕福な華族をみつめ、「幸福」の裏側に潜む各人の思惑や葛藤を、許されぬ恋と忍び寄る戦争を絡めて表現した昭和モダニズムの傑作といわれています。1935年に発表され、1950年には初めて舞台化。このとき以来、主役の諏訪役を森本さんと同じ文学座にいた故杉村春子さんが務め、1996年に亡くなるまで当たり役として絶賛されてきました。石井ふく子さんは、現代という時代に合わせた演出を施し、原作は映画監督だった鉄風役(西郷)を映画美術会社社長に、映画監督の弟子だった須貝役(松村雄基さん)を装置家にアレンジするなどとともに、芸術一家という特殊な環境によって生まれる複雑な人間ドラマを、現代版として解釈し直しました。
●もどかしさの中で揺れる機微
初日前日の4月6日は、実際の銀河劇場で通し稽古が行われました。美仔役の藤谷美紀さんが小林綾子さんに代わっただけで、松村雄基さん(須貝)、吉野紗香さん(未納)、徳重聡さん(昌充)はいずれも前回と同じ顔ぶれ。2008年の公演よりもさらに豊かな情感が舞台にはあふれていました。
あくまでも「静けさ」を基軸としたトーンの中で、予想外の想いを伝えられた諏訪の動揺、それを知ってしまった鉄風の葛藤。心と心がときにふれあい、ときに離れそうになる心情を、昭和初期という時代を背景にして、もどかしい様子で演じられます。
●長い長い座ったままでのセリフ回し――西郷輝彦
特に西郷輝彦は大きな動きが無い中で気持の揺れ動きを伝えなければならない役どころとなっています。例えば、舞台スタートから15分後に登場し、長い時間ウッドチェアに座り続け、パイプをくわえ、あるいは手にしながら長い長い芝居を続けます。このほかにも、終盤でも西郷は座ったままの芝居が控えています。それでも張り裂けるような気持を表すための大きな声や台詞回しが求められています。そんなところも見逃せない舞台となりましょう。
銀河劇場における公演は4月11日(日曜日)まで。2010年秋には全国数カ所での地方公演も予定されています。皆様、お見逃しなきよう!
▽天王洲銀河劇場サイト
http://www.gingeki.jp/index.html
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