●すでに完成を思わせる熱い演技
2004年芸術祭大賞演目が新しい息吹でここに復活――脚本・橋田壽賀子さん、演出・石井ふく子さんによる石井ふく子三越名作劇場「初蕾」が、きょう2月3日、東京都中央区にある三越劇場(日本橋三越本館内)で幕を開けます!2月2日には本番そのままの通し稽古が行われ、主役の京野ことみさんをはじめ、西郷輝彦、中田喜子さん、坂口良子さんらがすでに完成を思わせる熱い演技ですべてをおさらいしました。
●2004年には芸術祭大賞を受賞
山本周五郎の名作短編小説「初蕾」は、これまでも数多くのテレビドラマ、舞台で上演されてきました。時代は江戸、舞台は志摩のくに。天涯孤独の酌婦「お民」(京野ことみ)が、客の梶井半之助との間に子どもを宿しますが、半之助はそれを知らないまま姿を消してしまいます。半之助の両親(西郷輝彦・坂口良子)は、お民と生まれてきた子どもとともに、力強く生きていこうと苦心していく物語です。橋田壽賀子&石井ふく子コンビによる「初蕾」は、2004年に京野ことみさん主演で舞台化され、同年の芸術祭大賞を受賞。今回は京野さん以外の出演陣を一新しての再演となりました。
●洒脱な芝居で舞台を彩る西郷輝彦
全身でこの演目にぶつかっていく京野さんは当然のこと、芸達者で重々しい安定感をもつ坂口さんと中田さんの演技もこの舞台に無くてはならない存在感を伝えます。そして西郷輝彦。いつものようにひたすら重量感あふれる役どころかと思えば、これがいつもとはちょっと趣を変えた役回りと演技をみせます。
もちろん武家の長であり、人の良さがにじみ出る人間像なのですから、本来、ムダ口をたたかない生真面目な「梶井良左衛門」ではあります。そんな良左衛門を、今回、西郷はときにコミカルに、そしてまた別の要所で軽いフットワークをみせるような演技をします。全編を通す、ともすれば息苦しささえ醸し出してしまう原作に、西郷がひとつ柔らかな空気を取り込み、この舞台のトーンをカラフルなものにしています。この舞台の見どころのひとつは、まちがいなく西郷の「洒脱な演技力」と言えるかもしれません。
西郷にとってはテレビドラマ「ジグザグブルース」や舞台「江戸を斬る」で共演した坂口良子さんと久々にコンビを組む一方、京野ことみさん、中田喜子さんとは初めての顔合わせとなりますね。舞台公演中の2月5日はちょうど63歳の誕生日を迎えます。その西郷が繰り出す、洒脱な梶井良左衛門は、これまでこの役を演じてきた山村聰、宇津井健、竹脇無我――らの皆さんとも異なる味で存在感を示すはずです。皆様、ぜひ2010年の舞台「初蕾」に足をお運びくださいませ。
三越劇場公式サイト
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/theater/
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